作曲家中山晋平の故郷である長野県中野市からお声がかかり、2日間の日程で演奏しに行ってきました。中野市は長野市の北東約20kmに位置する人口約42,000の小さな市ですが、中山晋平のみならず、あの久石譲や「故郷(うさぎ追いし...)」の作詞者高野辰之の故郷でもあるという音楽文化の豊かな市です。今回は冬の長野ということで、雪道に慣れない我々は珍しく車を避け鉄道の旅としました。ただし、暖冬のため実際には平地ではほとんど雪を見かけませんでしたが。
まず第1日目(1月24日)、北しなの線豊野駅から車でこの日の演奏会場の上林温泉にむかいます。途中翌日の会場になる中野市民会館に立ち寄って打合せをしてから、山沿いのホテル仙壽閣へ。ちょうど春節の時期と重なったため、ホテルの宿泊客はほとんどが台湾の方でした。地獄谷野猿公苑で温泉につかる野生の猿がSnow Monkeyと呼ばれ、外国人に人気なのだとか。
夕食をいただき、8:30からロビーにて演奏。曲目は次の通り。
1. バード/パバーヌとガイヤルド(バード)
4. 中山晋平/毬と殿様・肩たたき
5. 久石譲/人生のメリーゴーランド
<アンコール>
8. 岡野貞一/故郷
MC:曽根 ピアノと歌:倉品裕子
ピアノと歌で共演した倉品さんは、中野市でヤマハの音楽講師をされている方で、8年前SRQが長野市で演奏した時に聴いてくださったことがきっかけで、今回我々を呼ぶことを市に提案してくださったのだそうです。(https://srq.hatenadiary.jp/entry/30576714)
その夜は仙壽閣に泊まり、翌日(1月25日)は中野市民会館に移動。日本のフォスターとも呼ばれる郷土が生んだ作曲家中山晋平を記念した音楽賞の優秀賞入選曲発表会での演奏です。 簡単なリハーサルの後、本番まで時間があったので、中山晋平記念館に案内していただきました。
さて、本題の中山晋平記念音楽賞というのは、小中高校の児童生徒たち対象に行われている作曲賞で、今年で56回を迎えるという伝統あるもの。今年は遠くは姉妹都市の仙台市からのものを含め、県内外から全部で204曲の応募があったそうです。子供たちが作詞・作曲した歌を審査し、優秀なものにはプロの作曲家がピアノ伴奏を付けて、ステージで演奏発表されます。今年は小1から小6まで6人の作品が優秀賞に選ばれました。
合唱による発表の後は我々の演奏です。今回はピタゴラスイッチを演奏しながら客席から登壇するという初めての演出で登場。演奏曲は次の通り。
1. 栗原正己/ピタゴラスイッチ
2. バード/パバーヌとガイヤルド
4. 中山晋平他/四つの雨
5. 中山晋平/鞠と殿様・肩たたき(会場合唱)
6. ジェンキンス/パラディオ
7. 久石譲/人生のメリーゴーランド
<アンコール>
10. 岡野貞一/故郷(会場合唱)
MC:曽根 ピアノと歌:倉品裕子
散会後、場所を移して受賞者祝賀会で受賞者の方々や地元の皆さんと交流しました。中には久石譲の幼なじみという方もいらっしゃいました。作曲賞を受賞した1人の女の子とそのお兄ちゃん(ご自身も以前の受賞者)がリコーダー好きの方たちで、お話をしに来てくれました。
帰途、昨年10月の台風19号の爪痕が残る地区を車で通りました。あれからもう3ヶ月が経過したというのに、まだ赤い実が地面一面に落ちたままのリンゴ畑や、泥の残る大型店の駐車場や、人が戻っていない住宅地など、復興はまだまだこれから長い道のりなんだと感じました。長野のみなさん、どうかへこたれないで頑張ってください。私たちも浜松からエールを送り続けます。